地震の走時曲線(地殻の厚さを求める)関連の地学教材    2021年5月27日 2022-05-23 改訂 Y.Okamoto yossi.okamoto at gmail.com

※ 使用の際はかならず「防災科研Hinetデータ使用」とお示しください.

詳細な使用規定は下記にあります.
https://www.hinet.bosai.go.jp/about_data/?LANG=ja#M2

※ 当然ながら平行2層構造,地震波速度層内一定という,”非現実的な設定”の元の計算です.ご留意ください.

走時曲線教材として,以下の2つの手法があります.教材としては,いずれも一長一短です.お好みの方をお使いください.


0.波形作成にあたって

1)win2のダウンロード先(宇都宮大学名誉教授伊東明彦氏のサイト)
http://www.edu.utsunomiya-u.ac.jp/scied/hi-net/win2/index.html
2)P, S走時のピックアップの様子(筆者は専門家ではありません)

https://youtu.be/9yjLlXDcCIs


1.地震波形のペーストアップ(地震諸元は気象庁
地震月報および震源リストによる)

※ 波形の振幅はwin2により自動調整されるので,振幅の倍率は地点ごとに異なる.

<実習の詳しい説明>

・2020年9月4日9時10分53.3秒 福井県嶺北地方 M5.0 深さ7km
    2020 9 4 09:10 53.3 36° 6.9'N 136°11.3'E 7 5.0 
福井県嶺北
    ペーストアップ波形  解答と詳しいやり方

<その他のデータ>

・2013年04月13日 05時33分頃淡路島付近M6.3 20km
    ペーストアップ波形 解答例

・2014年07月08日 18時05分24.4秒 胆振地方中東部 M5.6 深さ 3km
   
2014 7 8 18:05 24.2 42°38.9'N 141°16.0'E 3 5.6 胆振地方中東部
    ペーストアップ波形 解答例
・2015年 2月6日 10時25分12.4秒 徳島県南部 M5.0 深さ11km  
    10 25 12.4 0.0  33 44.0 0.1  134 22.2 0.1   11 0  5.1D 4.8W B (6,231) TOKUSHIMA PREF     
   
ペーストアップ波形 解答例
・2019 12月4日10時38分53.1秒 茨城県北部 M4.9 深さ9km  
    2019 12  4 10:38 53.1  36°48.5'N 140°32.3'E    9     4.9  茨城県北部
    ペーストアップ波形 解答例
・2015年6月4日 4時34分15.2秒 北海道東部(弟子屈)M5.0 深さ0km
   
04 34 15.2 0.0  43 29.5 0.3  144 03.6 0.4    0    5.0D 4.8W A (1,  7) TESHIKAGA REGION   
   
ペーストアップ波形 解答例
・2016 10月21日14時07分 鳥取県中部 M6.6 深さ11km
   
14 07 22.5 0.0  35 22.8 0.1  133 51.3 0.1   11 0  6.6D 6.2W C (6,221) EASTERN TOTTORI PREF  
   
ペーストアップ波形 解答例
・2019 12月4日10時38分53.1秒 茨城県北部 M4.9 深さ9km  
   
2019 12  4 10:38 53.1  36°48.5'N 140°32.3'E    9     4.9  茨城県北部
    ペーストアップ波形 解答例

・2020 3月13日02時18分46.8秒 能登半島 M5.5 深さ12.3km 
   
2020/03/13 02:18:46.77     37.280N     136.825E     12.3km     5.5     能登半島   
   
ペーストアップ波形  解答例
・2020 4月23日13時44分22.1秒 長野県中部 M5.5 深さ3km 
   
2020 4 23 13:44 22.1 36°13.5'N 137°39.7'E 3 5.5 長野県中部   
   
ペーストアップ波形  解答例


2.P波,S波の走時をプロット

図は筆者が
HinetデータよりWin2を用いて走時を筆者が読み取り作成
(以前に筆者が作成した1995年兵庫県南部地震などの走時プロット図は,気象庁「地震月報」の位相読み取り値を用いています.上記とはデータの出所が異なりますのでご注意を)

<実習の詳しい説明>

・2020年9月4日9時10分53.3秒 福井県嶺北地方 M5.0 深さ7km
    2020 9 4 09:10 53.3 36° 6.9'N 136°11.3'E 7 5.0 
福井県嶺北
    走時グラフ  解答と詳しいやり方

<その他のデータ>

・2013年04月13日 05時33分頃淡路島付近M6.3 20km
走時グラフ 解答例
・2014年07月08日 18時05分24.4秒 胆振地方中東部 M5.6 深さ 3km
   
2014 7 8 18:05 24.2 42°38.9'N 141°16.0'E 3 5.6 胆振地方中東部
    走時グラフ 解答例
・2015年02月06日 10時25分12.4秒 徳島県南部 M5.0 深さ11km  
    10 25 12.4 0.0  33 44.0 0.1  134 22.2 0.1   11 0  5.1D 4.8W B (6,231) TOKUSHIMA PREF    
    走時グラフ 解答例
・2015年6月4日 4時34分15.2秒 北海道東部(弟子屈)M5.0 深さ0km 
     04 34 15.2 0.0  43 29.5 0.3  144 03.6 0.4    0    5.0D 4.8W A (1,  7) TESHIKAGA REGION
    走時グラフ 解答例
・2016 10月21日14時07分 鳥取県中部 M6.6 深さ11km  
     14 07 22.5 0.0  35 22.8 0.1  133 51.3 0.1   11 0  6.6D 6.2W C (6,221) EASTERN TOTTORI PREF
    走時グラフ 解答例
・2019 12月4日10時38分53.1秒 茨城県北部 M4.9 深さ9km  
    2019 12  4 10:38 53.1  36°48.5'N 140°32.3'E    9     4.9  茨城県北部
    走時グラフ 解答例
・2020 3月13日02時18分46.8秒 能登半島 M5.5 深さ12.3km 
   
2020/03/13 02:18:46.77     37.280N     136.825E     12.3km     5.5     能登半島
    走時グラフ 解答例
・2020 4月23日13時44分22.1秒 長野県中部 M5.5 深さ3km 
    2020 4 23 13:44 22.1 36°13.5'N 137°39.7'E 3 5.5 長野県中部
    走時グラフ 解答例

以下,作成次第アップロード予定.


<参考>

この教材に関する研究発表があります.ご参考に
岡本義雄・井村有里:Hinet地震波形データを用いた,走時曲線教材の作成と高校生実習,日本地学教育学会2021年度全国大会,2021

また,もっと遠い距離の地震の震源決定に関する教材も最近作りました(英語で恐縮です).
http://yossi-okamoto.net/KVIS/KVIS-ISF5/index.html

なお,以下の図の作成には,
防災科学技術研究所 Hi-net地震観測システム
のデータを使用しています.何かに引用される場合はその旨をお書きください.

下記に,走時曲線を教材化する際の資料を置きました.教材としてご活用ください.

1.教材としての走時曲線の作り方(レシピ)

2.走時曲線の教材としての活用法(実習教材)

手っ取り早く,図だけ必要な場合は下記をどうぞ.筆者の解答例は上記サイトにあります.・
(地震解析ソフトwin2,伊東2006,を用いて作成.開発者の宇都宮大学名誉教授伊東明彦氏に協力を得ました)
win2のダウンロードは以下(伊東さんのHPの)から可能です.
http://www.edu.utsunomiya-u.ac.jp/scied/hi-net/win2/index.html

地震の諸元:2020年9月4日9時10分53.3秒 福井県嶺北地方 M5.0 深さ7km

波形ペーストアップ図
http://yossi-okamoto.net/Seagull_Lab/TT/TT_Fig/2020_Fukui-Reihoku_PU_cp.png

P波,S波走時読み取りグラフ(筆者による)
http://yossi-okamoto.net/Seagull_Lab/TT/2020Fukui-Reihoku.png

※ 教材を使われた際は,コメントや感想をいただけるとありがたいです.
yossi.okamoto<at mark>gmail.com

なお,日本列島(近畿地方)におけるMoho面の深さの文献は例えば下記などが参考になります.
汐見ほか:地震学的探査によるモホ不連続面の検出 ―近畿地方を例として―,地学雑誌 117(1),45-58,2008
Akio Katsumata: Depth of the Moho discontinuity beneath the Japanese islands estimated by traveltime analysis, JGR 115, B04303, 2010


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