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さて,島内一周道路で最初に,出くわしたのが昨年改装
工事(?)でリニューアルされた「地層大切断面」の大露頭.前にも2度来たことがあったが,何か今回の工事でさらに拡張されたのではというくらい,長い区
間に渡って大露頭が続いた.これはさすがに驚いた.まさに東洋の大露頭である.
| Mさんにスケールに入ってもらって写真を録るがとても全景のスケール感は出ない.上の動画をぜひ参照してほしい.
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古い説明看板.
| 車が通るタイミングで車のスケールを入れて写真を撮る.
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最上位の地層にYamamoto(2017)に記述のある,ボムサグが同じ層準に並んでいる.これは岩石質の火砕流堆積物(lithic pyroclastic flow)だとされる.
| ここはとりわけ地層表面が削られて新鮮な場所.不整合に見えるがYamamoto2017では不整合ではなく,わずかの時間の間隙と記述.しかし見事な傾斜不整合に見える.
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さて段々と雨の本降りになる中を,午前中のメインと考えた筆島までの海岸線を行こうとするが-----.
| 筆島の対岸まで行くと,この海蝕崖に,見事な岩脈群が顔を出すはず.
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このあたりは,Bさんいわく単なる土石流?
| あるいはマグマ水蒸気爆発の岩片か?
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足元の岩石は斜長石の斑晶が目立つ溶岩.筆島火山を構成する古いものか? |
同じく斑晶がきれいな溶岩.
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しかしますます雨と風は強く,後ろ髪を引かれながら撤退を開始.
| ここに古い1983年当時の写真を入れる予定.
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同上
| 同上
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雨がひどくなってきたが,すぐ近所のカキハラ磯だけには立ち寄ることにした.
| 道路からすぐの斜面の途中に目的の火山堆積物がある.
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火山堆積物層に大きな礫が乗っている.ボンムサグ(bomb sag):火山砕屑岩の層で,火山弾や火山塊の下の凹み[Cotton : 1944])とwikiにある.
つまり呼び名は上の石ではなく,下の凹みなのか.
| あと専門家のSさんはこの黒い上に乗った火山礫が,最初から割れていたのか,落ちた衝撃で割れたのかをとても気にしていた. |
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こちらもきれいな噴石が乗っている. | ボムサグの周囲の地層に見られる「火山豆石」さっきの看板はこれを説明していた. |
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しかしこの場所の豆石はサイズがややバラバラな気がする. |
さてこのあと,一旦巡検を切り上げて,雨が止むまで元町の火山博物館まで戻り,中を見学のあと,近くの温泉のレストランで昼食とした.博物館の写真がないのは,何と今どき館内撮影禁止の沙汰で,ジオパークにしてはいやにサービスが悪いなと思った |
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さて雨も止んだので,再度半時計周りで波分港近くのトウシキの浜まで逆戻り.ごらんの通り,とても景色のよいところなのだが,巡検案内の露頭の位置がよくわからない.さらにどこから海岸に降りてよいのかもわからない.あたりは断崖絶壁の連続.
| そこで車に乗り込み,降りる道を探して周辺の村に入ったりしてうろうろしたあげく元に駐車場に戻る.そこでやっと海岸に降りる階段をみつけた所. |
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この道を見つけてほっとする.一直線で海岸へ.この頃にはほぼ雨も止んでいた. | この海岸で見れる様々な堆積物は今回の巡検の一番の収穫であった.まさに水蒸気爆発の堆積物の博物館のような露頭の連続.
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やや明るいオレンジがかった層がとてもきれいにマーカーで見えている.その上に幾つかボムサグが見つかる.
| マーカーの上の典型的なボムサグ.マグマ水蒸気爆発の威力を示すという.堆積学専門のBさんは,ラミナのあとなどを熱心に探していた.
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こちらはマーカー地震がたわんでいる.マーカーの下のスコリアは逆級化を示すようにも見える.上位には爆発で飛んだのか多量の溶岩片を挟む火山灰層.
| こちらは上位のややきれいに成層した火山灰やその上の,火山礫の少ない堆積物.マグマ水蒸気爆発から続く一連の火山活動の推移がよくわかる露頭だと思われる.
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そしてマーカーの下には強烈に赤く厚いスコリア層が続く.灰色はおそらくスコリアに挟まれた溶岩? | タフォニの刻まれた溶岩とその周囲のスコリアの対比.
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さてその後一旦元町に戻り,C火口列の様子を偵察に行く.遊歩道が残っていることを確認.詳しくは明日にする.
| 夕暮れ迫るなか,元町近くのモニュメントを置く広場.ジオパークの関連なのか石を多数置いてある.この日はこれにて終了.
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