複雑系関連の生徒実習など.                          2021年8月3日

1990年代に一世を風靡した「フラクタル」,「カオス」,「自己組織化臨界現象(SOC)」 などをキーワードに含む「複雑系科学」の流行も,今は一段落.一部を除いてあまり見向きをする人もいなくなったように思える.しかし,社会科学に目を転じ ると,これらの学問に底流として流れる「べき乗則」(Power Laws)の解明を中心とした,あらたなうねりは現在もなお継続中である(たとえば,Newman, 2004). もともとこれらの科学は地球科学に見られる様々な現象を発端としてきた.たとえば「フラクタル」は海岸線の形やクレータの分布,「カオス」は気象力学関連 の方程式.「自己組織化臨界現象」は仮想的な砂山の崩壊と,それに関連して見出された古くからの「地震」の統計則であるG-R則.などを出発点としてい る.筆者はこの「複雑系」をその流行の端緒に近い1990年代初頭に研究対象とされていた,ある若い研究者の方から学び,その意外性や先見性が,地学教育の新しい切り口にうってつけであると考え,それを中心にした教材開発を行ってきた(岡本,2004).ここではその黎明期の生徒実習を古い筆者のWeb Pageの原稿からいくつか紹介して,若い教員の皆様の参考になればと考えます.

当時の生徒用の生徒用に作ったテキストはこれ
「複雑系とは何か」

なお,下記講座の実習結果の例を下記に紹介します(岡本.未公表).