Q2 The Big 5 Geo Safari
report(Part_3)
22.Aug.2002
2nd Aug
巡検5日目.とうとう巡検も最後のステージにさしかかりました.鉱山巡検の最後は世にも不思議な組成の丸い柱状の貫入岩体Phalaborwa
Complexの中の燐鉱石を中心に掘り出しているFoskor Mineです(Big5
その6.あれ1つ多いぞ?).20億年前のalkaline-carbionatite
magmaの貫入による特異な組成の岩体です.燐鉱石,銅の他,バーミキューライト(園芸の土壌改良用として使う)も掘り出しています.
|
|
ここもまたとてつもなく広い露天堀りの現場です. |
先ほどの露天堀りの側壁で早速サンプリング |
|
|
さらに露天堀りの底にやってきました. |
金雲母が奇妙な年輪のような模様を作る |
|
|
ペ
グマタイト化した部分.雲母と輝石の巨晶をたくさん採りました.もうサンプルは別便で送ることにしたので大変気が楽になりました.この時点ですでにバスの
腹に持てないくらい重いサンプルの段ボール箱を積んでいました.ちなみにこのスケール気に入っていたのですが,この後ここに置き忘れてしまいました.この
旅行で唯一の忘れ物でした. |
同じく雲母の少し多い部分です.映っているのは南アフリカのセントコインです. |
|
|
またまた,ここでも発破が行われるという一報が入りました.一同それを待ち受けます.今回はビデオに無事一部始終を納めることができ
ました. |
なかなか複雑な運搬経路となっています.遠くに岩芯のような塔型の小山が2つ見えます. |
|
|
別の場所で運良くfoskoriteのサンプルも採らしてくれました.magnetiteとcarbonatiteが微妙に混ざって
いる不思議な岩石です.白い部分がcarbonatite.ここで鉱山の案内の人にどこから来たかと聞かれ,日本だ,地球の反対側だと答えるとへえーと感
心された.
|
このあと燐の生成工場を見学しました.ここの職員(白人)はみんなアフリカーンス(オランダ系現地語)をしゃべっていたようです.
|
|
|
巨大なミル |
浮遊選鉱? |
最後の方は説明を聞く元気が段々なくなって,ややばてていました.やはり5日目となり疲れが出てきたのでしょうか?それともこれで終わりという安心感で
しょうか?
無事に鉱山の見学はこれで打ち止め.最後にクルーガー国立公園のいよいよ動物のBig5探検に出かけるときが来ました.ご飯を食べる度にライオンに食われ
るために食事をしているのは誰でしょうと冗談を言い合っていたのですが,とうとうその日がやって来ました!
|
|
動物を見る前にまだ1つありました.クルーガー国立公園の手前で花崗岩の小さな山がありました.その山裾に昔の民家が再現されていま
す.何でも古代の鉄を作ったあとだそうです. |
石が環状に並べてあります. |
|
|
説明を聞く我々 |
ちょっとあたりの花崗岩が面白かったので撮ってみました. |
|
|
|
|
|
|
|
こんな小山が結構残されています.モナドノック(残丘)と地理でいうやつでしょうか?あと蟻塚も結構目にしました. |
|
|
石器や |
土器の展示もありました. |
|
|
Krugar N.P. 内の今日の宿泊はLetaba
Campです.写真のようなコテージがたくさんあり,売店(スーパーと土産)やレストランがあります.Camp以外には人工の建物や施設を極力置かないよ
うにしているようです. |
キャンプ内で鹿がのんびりと草を食べています. |
この日は夜ナイトサファリに行きました.サファリ用の4WD車の荷台に特製のいすがついたよくTVに出てくる車に乗って暮れた公園内を2時間も走り
回りました.おかげで象の威嚇する恐ろしい声やライオンの姿に恐れおののきました.また,どこかで野を燃やす野焼きの火が赤々と燃えて,空には見事な日本
の夏の天の川とそれに続くケンタウルスのα,β,そして南十字星.遠くにきたことを本当に実感しました.
3rd Aug.
巡検6日目.もうサファリオンリーな日です.移動するバスからみんな目を血走らせて,動
物の姿を追っています.私は最初サファリなんて動物園と大して変わらないと高をくくっていたのですが,結局はまってしまいました.やはり本物は違う!これ
は本当に実物を見ないと実感できないと思いました.今日は午前は次の宿泊地Satara
Campに向けてOlifantsCampを経由して移動(Game Driveという).そして午後はまた小さな車に分乗してサファリです.
|
|
夜明けのLetaba River |
早朝のMorning Safariのバスに乗り遅れたので,ちょっとCamp内を散歩しました.原色の鳥が美しい. |
|
|
朝は鹿の姿を多くみました. |
午後のSafariの途中です.ドレライト?のシート?が走向の方向に河原にでています. |
|
|
川の向こうにケスタ地形.手前はサファリカーです.一応屋根がついています.(あとで行くことになるザンビアではこの屋根がありませ
んでした.視界はいいのですが,ザンビアのサファリはツエツエバエが−−−.) |
Safariのガイドはいつもこんな風に万一に備えて銃を持っています(もちろん動物に対しての警戒です.この後行くことになるザン
ビアでは人に対して銃を持っていたのですが,−−−.) |
|
|
足元にドレライトのシート? |
バスの窓から恐ろしい数のバッファローを見ました. |
|
|
最
後の晩のフェアウェルパーティーから.韓国から来られた地球物理の大御所Hさんとそのご家族.最初ホテルのロビーで日本人と間違えて声を掛けてしまったの
ですが,とても暖かい手で握手をしてくれました.向こうはロシアとウクライナの人のようです.ワインがすすんでいますね. |
右はご夫妻で来られたチリの地質調査所の偉い人.左側の人はえーっと忘れてしまいました. |
|
|
左からインドネシアのAさん.スコットランドのProf.
ナミビアの地質調査所の女性.最奥がボツワナでダイヤモンド探査をやっているS氏.右手前はモンゴルのProf. あと何枚かあるのですが省略. |
我々のバーベキューの匂いをかぎつけてスポットハイエナがやって来て,パーティーは一時中断みんな即席のサファリとなっています. |
4th Aug.
いよいよ,最終日.これまで鉱山に立ち寄りながらゆっくり東進した経路を逆にバイパスする高速道路をバスで一気にヨハネスバーグまで帰ります.
|
|
早朝のSatara Camp. |
私の泊まったコテージ. |
|
|
中はこんな感じ.ちょっとちらかってますね.東大のI氏とずっと一緒の部屋でした. |
我々を運んでくれたバスです.大型のバッゲジもお腹に入れて運んでくれたので荷物を分けずに済みました. |
|
|
何かGraniteの有名なサイトに立ち寄りました.もうひとりガイドの方が説明してくれたのですが,凄いアフリカーンスなまりで
ちっとも分りませんでした. |
何か片麻岩のような縞模様です. |
|
|
途中川を渡る時,RyoliteだかIgnimbliteだか言ってたような記憶があるのだがちょっと不確か.(違います.あとで調
べるとやはり32億年位の花崗岩〜片麻岩です2003年1/12訂正) |
田
舎街のスーベニアショップ.イギリス英語ではクレオショップかな?ここで大発見.どうみてもWitwatersrandの含金礫岩が150Rだったかで
売ってました.黄鉄鉱がびっしり入ったどうみても凄いやつです.速攻で買ったのはいうまでもありません.しかし売店の女性はナミビアから輸入したというの
ですが,専門家I氏がWitwatersrandの含金礫岩に間違いないと保証してくれました.今回の旅行の最大の見つけ物です. |
|
|
あと珍しく斜面に谷のある地形.今回の旅行を通じて,このように山腹に明瞭な侵食谷の発達した地形をあまり見なかった.降水量と関係
するのか不思議である. |
このあたりで一瞬雨が降りました.今回のアフリカ旅行(南ア,ザンビア通じて)で1回きりの雨でした.そのため,服はいつも砂や土ほ
こりで汚れてしまいました.アフリカの土は赤い.そしていつも乾いている.これが今回の旅行の最大の発見です. |
このようにして長かった1週間に及ぶ巡検は終わりました.最初1人で英語ばかりの環境でどうしようと不安でしたが,ふたを開けると,留学生の方を含めて5
人もの方が日本語で話せたので大変助かりました.また,たくさんの世界の知り合いができました.お世話になった方々に感謝して,とりあえず南アフリカ地質
巡検のレポートを閉じたいと思います.(22.Aug.2002)
Copyright
(c) Y.Okamoto 2002, all rights reserved.