その他の火山
阿蘇山(1990年代)の古い写真からスキャンした. 30.May.2011
前の職場の同僚(その後東北大教授となったTさん)の手伝いで何度か阿蘇山に通った.彼の作った爆風の圧力を計測する装置の実装のためだった.現地でつきそっていただいたのは京大別府におられた火山観測の専門家T教授.(今はお2人とも定年退官されたが)
私にとっては生涯で唯一の火山における観測の経験であった.
阿蘇中央火口に立つ両T先生.右は圧力計の銅製のパイプを取り付ける私.古い避難小屋の擁壁にとりつけた.小屋の中には鉄製の格納庫を入れて,ロープウエ
イの乗り場から引っ張ってきた電気で地震計と圧力計のデータをノートPCに記録するシステムを格納した.火山ガスがひどい場所なので,ノートPCが錆びな
いようにビニールで厳重に包装したが半年後には金属部分にさびが浮いていた.地面の砂の中にビニール袋の中に入れて埋めた地震計も外装はさびついていた.
しかし地震計の記録は数ヶ月分は記録できたはず.ただこの間は比較的穏やかな時期で一度も噴火がおこらずこの観測は成功しなかった.これらの避難小屋はか
つて爆発時の緊急避難小屋として建設されたが,噴石より火山ガスによる被害が出始めたので,この区域は立ち入り禁止となり放置されてあったのを我々が観測
に利用したもの.爆発の際はこの小屋のコンクリートの屋根を突き破る噴石も降ったとか.火山の恐ろしさを体験できる場所であった.くだんのT教授は火山ガ
スの匂いがきつく心配する私に,匂いがするうちは大丈夫.匂いがしなくなると脳がやられているから気をつけろと言ってのけられた.
中央火口の湯だまりの様子(96年秋)と冬(97年2月)の阿蘇山頂(右).雪で熊本空港行きの飛行機が飛ばず,難儀した記憶が.ロープウエイ山頂駅乗り
場の近くの小屋の屋上に鳥かごのような圧力計センサを取り付ける際の記念写真.これも結局噴火が起こらず,最後にはガスで根元の取り付け部が錆びてしまい
いつか落ちてしまったとか聞いた.
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