10th.Aug.
せっかくザンビア来たのだからと旅行計画が練られるあいだ,友人の大阪の生物教師A氏と首都ルサカの探検をいろいろしました.中心部の市場まで歩いて
行って土産をみたり,博物館に行ったり,瀟洒なカフェでコーヒーを飲んだりと,この国の首都の雰囲気を少しは味わうことができました.しかし,本当にアジ
ア人,とりわけ日本人旅行者には会わない国である.市場近くの街頭で人を待つ間1人でしばらく立っていたが,肌の色が白いのは私だけだった.そしてそれが
極めて当然に見えてくるともうアフリカに同化し始めている自分に気づく.「アフリカ病」の危ない兆しを感じとっていた.
11th-13th Aug.
やっと旅行の段取りができて,恐ろしく忙しい旅にでます.今日は1日というかほとんど半日でチャーター機でビクトリア滝に往復して,その後午後の便でサ
ウスルアンガ国立公園に同じく別のチャーター機ででかけます.実は昨日ビクトリア滝に行くはずが直前に乗るはずの飛行機が片方のエンジンがブレークダウン
どこかの空港で修理しているとのこと.何かいやな予感.別の飛行機を用意してくれと地元の旅行社に掛け合って急遽予定が1日遅れの今日に代わりました.
さて,午後ルサカに帰るやいなや,次のサウスルアンガ国立公園行きの飛行機が待機していました.こちらは若い白人のベッカム似のパイロット.休憩も
つかのま,また貸し切りの飛行機に乗ります.今度は8人乗りと6人が乗るにはちょっとだけ余裕があります.待っていたG君の奥さんも乗り込みました.わず
か2泊3日の旅行費用は飛行機,宿泊,サファリなどすべて込みで1人420US$,ザンビアの公務員の年収分の出費になります.これでもずいぶん安い方と
か.ザンビアはホテル代など結構旅行料金が高いところです.G君がレジデントなので,国立公園などの入園料が安くなりました.まだ住民と旅行者の2重料金
が至る所に残っています.ちなみに朝からのビクトリア滝往復の費用はチャーター費,昼食,現地経費すべて込みで1人300US$.チャーター機費用が少し
高かった.まあ,ザンビアに着いてからの宿泊費食費がただ同然なので,これくらいの出費は仕方がないところです.結果的にこの数日の旅行は本当に快適で優
雅なアフリカの休日を経験できました.
今度の飛行機は8人乗り.少し大きくて朝乗ったのより機体も新しい感じ.でも飛行機に乗ってばかりで少々くたびれてきました.この飛行機は後ろの開いている所から乗り込みます. | 1時間以上の北東への飛行ののち見えてきたサウスルアンガ川は大地溝帯に繋がる低地をゆったりと蛇行して流れる.三日月湖がきれいに見えます.サウスルアンガ国立公園はこの川沿いの低地に広がる自然公園です. |
サウスルアンガの低地に入る前に,大地溝帯の左の端のリッジが見えました.直前にはリッジに平行な亀裂が何本も走っていて(帰りの写真参照),大地溝帯の裂け目を実感できます.写真の右側にサウスルアンガの低地が拡がります.(2005.10.05写真2枚追加) |
サウスルアンガの低地を上空からみたところです.大地溝帯の中はこのように低地となり,川が蛇行しているので,水を飲みに集まる動物達の楽園となります.まもなくムフエ国際空港に着陸です. |
今回の宿はMfuweロッジと いい,広大な敷地にこんなコテージが点在しています.単独で予約すると1泊300US$もする宿です.すべてそれぞれ動物の名で部屋を呼んでいます.我々 のこの部屋はCivetという名でした.ビールの付けやルームキーのやり取りはすべてこの名前で行います.国立公園内にあるロッジはここともう1つのみで す.電気ポットはありますが電話はありません.小屋の外には動物が出没するので注意せよと注意書きが玄関に貼ってあります. | 部 屋の中は落ち着いた作りできれい.右手は蚊帳を吊った寝室です.蚊帳の中には電気蚊取りがセットしてありました.一応このあたりはマラリアの汚染地帯で す.奥に風呂,トイレと広い作りです.左の戸を開けると,河原を見下ろすデッキとなり,水を飲みに来る動物や鳥を1日中観察できる素晴らしいサイトです. 部屋のサイン帳には日本語と英語で感想を書きました.署名をみると結構イタリア人が多いようです. |
動物の密度が高いのがこのサウスルアンガ国立公園の特徴です.乾期の河原を中心に様々な動物を凄い密度でみることができます.アフリカのサファリの最後の聖域だと言われているそうです.写真はおなじみのインパラの群れ. | 象の大群が水を飲みに出てきました.息を飲んで眺めています.向こうもこちらをさかんに気にしている様子です.子供の象を中にはさんで守っているのはさすがです.指さしているガイドはザンビア育ちの若い白人で,毎日4時間近いサファリは4WDの醍醐味を味わえました. |
木からぶらさがる大きな実はその名もソーセージツリー.ビロード肉厚の紅くきれいな花は地上に落ちると鹿の仲間インパラの大好物となります. | ライオンのおすそ分けに殺到するハゲタカの群れ.遠くからも見えるこの群れはライオンを探す絶好の標的になります.この時も2匹の雌ライオンがいぼ猪の肉をむさぼり食べていました. |
低地に低い丘が点在して,そこにはいかにも古そうな花崗岩や |
片麻岩がありました.(2005.10.5 写真4枚追加) |
こちらは名前を知らない鳥.エメラルド色の原色のきれいな小さな鳥もみかけたのですが,写真は取れませんでした. |
木陰に隠れているのはお馴染みのシマウマですね. |
一緒に行ったA氏は「生(なま)きりん」を写真に撮って来いと家族から厳命を受けていました.探し回ったあげくやっと見つけた「生きりん」にいたく感動していました. | 同 じく今度は体格のいいA氏の天敵となった有名なツエツエバエです.たかってきてところかまわずチクッと刺すので本当にいやな奴です.羽根が平行なのが特 徴.アフリカ眠り病という病気を媒介するそうです.私は日本に帰りついた日に16時間寝たので,家族からこの病気に間違えられそうになりました. |
バッファローの凄い群れに見とれているとき,見事なサウスルアンガの夕暮れに遭遇しました.ほとんど雨の降らない乾期の冬は本当に毎日晴れの良い天気続きでした. | ロッジの夕食は夜のサファリが終わった8時半から.スープ,メインディッシュ共に大変美味でした.この夜はサファリから帰ってくるとロッジの直ぐ前で2匹の雌ライオンが水を飲みにきて,ちょっと緊張した夜でした.もちろん夜の外出は厳禁でした. |
この夜は写真のイタリア人のモータージャーナリストと色々と話しました.彼はこのロッジに長く滞在して,仕事を手伝う傍ら,アフリカ紹介本のイタリア語訳の仕事をしているそうです.となりはお世話になりどおしだったG君の奥さんと向こうは子供さん達. | 低地に網のように流れる乾期のルアンガ川の中にはたくさんのクロコダイル,ヒッポ(かば)が隠れています.雨季にはこのあたり一面が水没するそうです. |
最 終日の午前のサファリで野外バーベキューをしてくれました.着いてすぐ車から少し離れた場所に用を足しに行って帰ってくるとガイドにしかられました.勝手 に歩かないようにと.ここはライオン危険地帯なのでスタッフが銃を持って護衛してくれているのは後になって知りました. | 野 外といってもこの豪華さで本当に感激でした.これがこの日の昼食となり,あとはルサカへ帰るだけです.アフリカというと何を食べるのかと心配する人が多い のですが,ほとんどこのような英国風の朝食やバッフェ料理で,日本人の口にも結構合います.ただ私はインスタントラーメンやうどんが食べられないのが唯一 つらかったことです. |
一応インターナショナルと書いてあるMfuwe空港.帰る便は到着が1時間も遅れました.マラウィなどへの国際便があるようです. | 平行なリッジが延々連なる光景はこの地方が大地溝帯の延長上であることを実感させてくれました(行きの写真と比べてください). |
チャーター機の操縦席と客室はご覧のような狭さ.機の重心を中心にして首を振るような運動が小型機の飛行の特徴でした.雲の下に入るとよく揺れました. | このサバンナと紅い道の風景とも明日でもうお別れです.夕暮れ迫るルサカに向けて有視界飛行のこの機は急ぎました.着陸時にA氏はまた暴れていました.どうやら天敵の例のハエがどこからか機内に潜り込んだらしく,それをやっつけるのに必死だったようです. |