南アフリカ渡航記 虹の国への学会と地質巡検 09/14 2010新設.

バーバートン編その3.巡検3日目(9月6日)(09/21暫定版,リンクの大きな写真は少々お待ちください)
バーバートンの上部Moodies Groupの地質巡検.

Christoph Heubeck, Donald R. Lowe, and Gary R. Byerly:
High but balanced sedimentation and subsidence rates (Moodies Group,
Barberton Greenstone Belt), followed by basin collapse: Implication for
Archaean tectonics,Geophysical Research Abstracts
Vol. 12, EGU2010-6260, 2010
の記述を参考にすると,
Largely siliciclastic strata of the Moodies Group form the topmost unit of the Barberton Supergroup of the Barberton
Greenstone Belt (BGB), South Africa, represent one of the world’s oldest unmetamorphosed quartz-rich
sedimentary sequences
, and reach ca. 3500m thick (Lowe and Byerly, 2007). Large parts of the Moodies Group
were deposited in apparent sedimentary continuity in alluvial, fluvial, shoreline and shallow-marine environments
(e.g., Eriksson, 1979; Heubeck and Lowe, 1994).
とあります.要するにこれだけの古さの堆積層でほとんど変成作用を受けていないというのがこ の場所の特異性だとか.

あと,MoodiesG.のクロスラミナ砂岩の解釈が下記の論文のアブストに明瞭にかかれています.
http://adsabs.harvard.edu/abs/2006SedG..190...13E
Kenneth A. Eriksson, Edward L. Simpson and Wulf Mueller
An unusual fluvial to tidal transition in the mesoarchean Moodies Group, South Africa: A response to high tidal range and active tectonics,Sedimentary Geology Volume 190, Issues 1-4, 1 August 2006, Pages 13-24

またそれに対する議論と写真が下記にあります.
http://scienceblogs.com/highlyallochthonous/2007/07/where_the_moon_was_at_32_billi.php


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宿の農場の民宿の暮れなずむ風景.雲一つなく夜は南天の銀河が美しく見えました.
アロエなどを植栽した庭園.
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夜のメニューは英国風のミートパイかキッシュみたいな料理.切り分けて皿にとります.
この夜のメニュー.さきほどのキッシュが主菜でサフランライスにクリームソースがかかってなかなか美味.
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食後のデザートのケーキも焼けていました.
コーヒーとともにいただくケーキ.この後星空観察をしました.α,βケンタウルスが横たわる南十字ととも に綺麗でした.
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こ れが米国人たちがアマルラパーティと称した,眠る前の寝酒に重用された南アフリカ原産のリキュール.アマルーラ.クリーミーな味わいで虜になります.私は 乗り継ぎの関係でドーハで17US$で2本みやげに買いましたがもちろんJNBの空港の方が1本1000円あまりと格安でした.
韓国現代自動車製のこの車はこんなに後ろに荷物を積んで重い米国人たちを全部で8人乗せてもまだ余裕のパ ワー.この他に座席の下に各自の岩石サンプルなども積まれています.
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さて巡検3日めの朝はクルーガー国立公園に入る前に,バーバートン市の東方で,Moodies G.の砂岩層を見学.小さな村のはずれにある小川を目指します.
村の子供たちとそのお母さんらしき人に出会う.子供たちが珍しそうにGoogMorningと挨拶してき ました.
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ランタナによくにた植物.
小川にはクロスラミナのような堆積構造.
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見事なクロスラミナとそれを斜めに横切るあとからの構造?
ここでひとしきり生成サイクルについて議論.これをメモするのを忘れてしまい.ちょっと思い出せない.
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こちらもそうです.
クロスラミナの上下がよくわかる部分.
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たしか潮汐起源の話題だったと記憶するのですが.
斜めに入った脈がまあ古さを感じさせるところか.それにしてもこれで32億年とは気の遠くなる古さです.
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こちらはもう1箇所.リップルマークなどが著しい場所.
車道のすぐそばの露頭.これが本日2番目の場所.
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至るところにリップルマークが見れるのですが,どれもそれほど面積がないので,まあ天然記念物とは行かな い規模のものです.
こちらが拡大.2日目の例の潮汐起源のクロスラミナの層との関連は聞けずじまい.説明を聞き落としたのか もしれません.
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最後に立ち寄ったのは,古い橋の廃墟のあるあたり.左の急な斜面を何とか川まで下ります.
枝や石をつかんで川まで降りてきました.古い橋の煉瓦の欄干が見えています.
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向かって左が礫岩.右が砂岩で川の両側で地層が異なります.
礫岩の様子.
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花崗岩にはコアサンプルを採集した跡が.なぜ花崗岩に集中しているのかが話題に.
右と左で岩石の色が異なる.左の礫岩は上部のMoodiesG.のものですが,右側の砂岩は中部の FigTreeG.の層だとメモにあります.川の中に断層があるそうです.
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礫岩上でできかたについての議論.
逆に上流側を見たところ,右が礫岩で左が砂岩.
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下部のFig Tree G.の砂岩層はこのように微褶曲.
これもそうです.
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上から谷間を覗いたところ.滝が見えています.
さてここからさらに東へ,クルーガー国立公園を目指します.あたりはのどかな山里の風景が広がります.
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クルーガー国立公園まで向かう道すがら,南アの典型的な田舎の家の風景.
こちらは近代的なショッピングセンター.しかし日本人はおろかアジア人をまったく見ないところです.
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ショッピングセンターだけみてると,とても近代的なさすがアフリカ第1 の 先進国の姿があります.車はみんなぴかぴかの新車のようです. この旅行で不思議だったのは1週間,まったく日本人どころかアジア人に会わなかった.唯一の例外は最後の 日,JNBに帰る途中のレストランの外で中国人の若いカップルを見たことくらい.
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しかし一旦村に入ると昔ながらのひなびた風景.
田舎道の道端で果物などを売る露店.
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さて国立公園の入り口の橋の上で川を眺めます.
川の中にクロコダイルが3匹.のんびりとひなたぼっこをする風景.
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国立公園ゲート.宿泊名簿の手違いがあって,少々待たされる.どうも学 会の領収書の件で6回もメールして往生した例のA女史の仕事みたい.
動物の頭骨.
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インパラリリーと呼ばれるきれいな花.
こちらはその拡大.葉が出ずに花が咲くのは桜と同じ.そういえばまだ ジャカランダの花は旅行中あまり見なかった.
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花崗岩の残丘.低地の国立公園内によく見られる風景.
再び枯れた川を渡り
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早々と象を見て
極彩色の鳥が食堂に残飯あさりにやってきます.
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公園内の食堂.おばさんがのんびりと昼食を作る.ハエが飛んでいるのが ちと気になる.
トーストサンドイッチはなかなか美味.写真の2000円弱の小型双眼鏡 が地層やバードウオッチングなどに大活躍.これ星を見るのにも役立ちました.
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これもキャンプの宿のレセプションルームだったか.
3日めの夕暮れ.空は限りなく晴天.宿は心配した蚊がまったくいなくて マラリアの心配はなくてよかった.
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今宵はこのSukukuzaキャンプで宿泊.
ロッジは棟続きで団体が宿泊できます.カナダのリタイヤされたJさんと 同宿.
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夕食は別棟のレストランとなりました.これは注文したギリシャ風サラダ ですが,豆腐のように見えるチーズが載っています.これとあと何を注文したかは忘れてしまいました.
夜はこのテラスの椅子に座って,メンバー達とアマルラのグラスを片手に ずっと南天の星や銀河を眺めていました.遠くに動物の咆哮が聞こえるなか静かに時間は流れ,この旅行中のもっとも至福の時でした.

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