南アフリカ渡航記 虹の国への学会と地質巡検 09/14 2010新設.

バーバートン編その2.巡検2日目(9月5日)(09/19暫定版,リンクの大きな写真は少々お待ちください)
バーバートンの中部Fig Tree Group及び上部Moodies Groupの地質巡検.

2010年9月05日 英国風の目玉焼きやベーコンの朝食をゆっくりと宿で食べて,9時に出発.今日はバーバートンの地質の主として堆積岩類を街に近い方 からスワジランドの国境までずっと見て回ることに.快晴の結構昼間は暑くなる日でした.
簡単な地質図が下記にあります.
http://instruct.uwo.ca/earth-sci/300b-001/archbarb1.jpg

また日本語のこの地域の緑色岩類と深成岩類に関する詳細が下記に
http://www.gsj.jp/Pub/News/pdf/1998/09/98_09_06.pdf
Moodies G.のNatureのmicrofossilsに関するJavauxの論文は下記にあります.
http://umanitoba.ca/geoscience/people/faculty/bekker/Javaux%20et%20al-1.,%202010.pdf

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今日も朝から快晴の天気のもと,農場の母屋の食事の場所で,ゆっくりと朝食を取るメンバーたち.
愛犬も朝食の番をしています.
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プールもあって,民宿とはいえ,豪華な作りです.もちろんまだ早春なので誰も泳ぐ人はいません.
庭にはこのロッジの名前の由来となったアロエや各種の植物が植えられていました.柵の外には馬や牛を飼っ ています.
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道沿いの果物をうる店.
田舎町にもW杯の影響は及んでいます.
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早速今日の最初のポイントで地質の説明を始めるガイドD氏.
オレンジ色のあたりが今日の露頭に当たるみたい.
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BGB(Barberton Greenstone BeltとKaap Valley Tonaliteの境目という説明を受けた記憶があるのですが,あるいはKVTのためにBGBが著しく変形を受けているという説明が案内書にはあります. KVTは後から貫入したもの.したがって堆積岩はそれ以前の古いものとなります.BGBより堆積岩はあとのものです.
これは明らかにBGBの岩石.このあと何か所かの露頭を見ます.ここからの数枚の写真の説明は,このペー ジを作成するときに,案内書の説明やGPSトラック,および地質図を参考に再構成しています.
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これは明らかにチャート(BIF?)の褶曲構造.地質図から判断するとBIFはFig Tree G.のもの.FigTreeG.は3つの層順の真ん中の層群.
この白い部分がTonaliteだったか.これは現地でも説明していたような.KVTとある部分です. バーバートンの街は32GyとあるKVTの上にあります.
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この時の説明はメモを取る余裕がなかったけど,この図のオレンジ色がKVTに相当.
lower Moodies G.の礫岩や砂岩(クオーツアイト)が出ている場所.MoodiesG.は 3つの層に分けられた最上部の層群.
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これは結構大きな10cmちかい礫岩.
ここは礫岩と砂岩が遷移している.
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ここには砂岩の表面に見事なリップルマーク.
これが拡大です.これから結構浅い海であったことがわかります.
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米国の研究者D氏が示す地層には随所にリップルマークが確認されます.
こちらが拡大.このあたりはわずかな間に堆積環境がfluvialからsubaqueous環境に変化し たと案内書にあります.
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さてそこから少し南に歩いたところに,白い地層が見えます.
白い砂岩層が柔らかく風化されまるで第三紀層のように思えます.
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ここには驚くように新鮮なクロスラミナが現れています.潮汐流によるものだという解釈がなされています. この頃は月が極めて近かったため,潮汐力が強かったという説明をD氏がしていたような.
こちらが拡大.見事にリズミカルなクロスラミナで,さる論文ではこれを元に潮汐を計算し,34億年前は1 日がわずか2〜6時間だったという論文(すみませんこれ嘘です.Lathe,2004は他のレートから外挿 で求めています.また39億年前です.01.Oct)が出ているのですが,さすがにそれには反論があるという.
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あとチャートっぽい部分や
極端に赤い風化層がみれるのですが,このあたりのメモがない.
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そして南落ちの地層がいつのまにか水平から北落ちに変化して,
このあたりに東西にでかい背斜軸が通っているという説明でした.この図は東側を遠望している.陽のあたり 方が北半球と逆なのでちょっと勘がにぶる.
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さて次は本日午前中のハイライト.最近のNatureの論文に載ったbio-laminationが出て いる 露頭.これは地層最上部のMoodiesG.のシルト質の岩石中のカーボンの層が生物起源のバイオマットであるということを指摘する論文.
NatureのEarly life: Ancient acritarchsという紹介記事をRoger Buickが次のように書いています.Big and beautiful microfossils have been extracted from rocks that are more than 3 billion years old.

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このシルト岩の黒いラミナがそうだというのですが こちらもそうです.化石本体は現在インド洋を航行中.
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まだしつこくサンプリングをするメンバー.ここでは,このバイオマットとは別にBarite(重晶石, Baの鉱石)を見つけたメン バーもいてこれもサンプリング.これが重かった.
さて少し走って,午前中最後の露頭へ.
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こちらがSTOP4.Fig Tree G.のチャートの露頭.cherty ferruginous shaleとblack-and-white-banded chertの層だと案内書にあります.
激しく褶曲しているのがよくわかる.このあと林間帯の日陰でバスケットランチとなりました.定番のサンド イッチとコーラ.宿で作ってくれて車で運んだものです.こればかりは日本の握り飯とお茶に勝るものなしと思ってしまいます.
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スワジランドとの国境を目指して,南下.かなり標高を登ってきました. STOP5.です.
足元には赤い鉄分の多いチャート層.一連の層序では中部のFig Tree G.のものらしいです.
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このようにきれいにそろった部分と
一部チャート層が細切れに集められている部分があって
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海底のチャンネルを埋めた堆積物chert-slab conglomerate(3200Ma)だと案内書にはあります.テクトニックか洪水による変動が2cmくらいたまったソフトシリカを壊し移動させた と.
それにしても鉄分のためか赤い.jasperliticと hematiticな部分が観察されそれは初期の海域でのパルス的な酸素の増大を示すとのこと.ここでこのBIFっぽいサンプルをいくつか採りました.
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あと樹林帯を少し走ると(ここの森林では見事な植林が見られ,一般の南 アによく見られるようなサバンナの自然林とは少し異なり遠目には日本の森林のようにも見えます).
大きく道路沿いにチャート層が出ています.
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D氏がちょっとおどけて地層のスケールになります.
同じく別のD氏も熱心に観察.チャートの微褶曲が美しい場所です.
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拡大したところ.
褶曲したところです.
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さてまた少し移動して,案内書最後のSTOP6.
Lapill Tuffが見られるという層準.深海で噴火によりそれでなくても多いシリカが沈殿して作られるらしい.
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これは明らかに粒状の集合で,ラピリ(火山豆石)という名前にぴった り.
こちらは黒白チャート層のようです.深海性なのでしょうか.
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さてここは案内書にはない最後のポイントで,マッシブで堆積岩ではなさ そう.
Cさんの身長と同じくらいな巨大な枕状溶岩でした.層準はちょっと不明 です.
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さて,スワジランドとの国境.車の中の会話でパスポートがどうたらと 言っていたので,てっきり向こうに一時入国するのかと思ってたら,ゲート前で向こうの職員が入国を期待する前に見事にUターンして帰るところ.
帰り際季節の花がきれいに咲いている木々.こちらは早春.日本の3月や 4月の時期にあたるのだと思い当たりました.それにしては日中はもう日本の5月末の陽気なのですが.
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車はこのあと,今日辿った道を大急ぎでバーバートンの市街へと戻りま す.
街に降りてきてこれは何か由緒ある博物館の建物.このあたりは古い金鉱 山の跡が残っていて,世界遺産登録の準備が進んでいるらしい.
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近代的な店のならぶ街の中心部.
街外れの歓迎の看板などを見て昨日の宿に帰りました.

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