ドイツ地学巡検2日目 恐竜公園から,ドイツ中央部の歴史的銀山とそれで栄えた世界遺産に登録された中世の古都Goslerへ.

ゴスラーに関しては下記のサイトの旅行記なども参考になります.
http://homepage2.nifty.com/norigen/euro/gos.html
http://hvanilla.web.infoseek.co.jp/goslar/goslar1.html

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さて巡検2日目,ブレーメンのホテルを出発した我々は次の巡検地,Outdoor Dinopark (Münchehagen)へ.大きなティラのサウルスの模型が迎えてくれます.暑かった昨日よりは少し涼しくなってきました.空は雲一つない快晴.
時代順に化石の模型を展示,説明するルートを辿ります.手前は韓国の高校の先生で,今は大学院で学んでいるとか.
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石炭紀のコーナーで驚くほど大きなトクサの群生を見ました.もちろん現生種です.
恐竜の進化を説明する看板や
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恐竜の巨大さを示した小屋.地震のような地響きを立てて歩いたというところから名付けられたサイスモサウルスは世界最大の恐竜としても有名ですね.
こんな風に時代順に恐竜の模型展示などが続くのですが,−−.
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一番奥まったところにあった,始祖鳥発見地ゾルン・ホーヘンの石切場の再現模型が印象的でした.始祖鳥の完全化石を巡ってドイツとイギリスが化石の買い取り合戦を演じたのは有名な話し. ゾルンホーヘンの説明.ドイツ南方ミュンヘンの東にあり,世界で唯一ここから8個体分(完全なものはたったの2個!)の化石しか見つかっていないものですね.現在でもロンドン標本とベルリン標本の2種が唯一の完全標本とか.
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ここには,はるばるそのゾルン・ホーヘンから運んできた石切場石灰質岩が展示してありました.本物が見たいと思ったのですが,今回の巡検コースからははずれていました.かつての同僚のS氏はほとんど学会をパスして,かの地を見学してきたそうです.羨ましい! さてその小屋から巨大な恐竜の全身模型が出迎える広場を過ぎると,ーー.
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ここのパークの目玉はむしろ最近建てられたこの巨大な恐竜の足跡展示館です.
このようにリップルのきれいな砂岩の表面に見事な恐竜の足跡がきざまれています.
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何でも最近の大規模な洪水のあと上部の泥岩が削れて現れたとか.骨の産出より足跡の方が有名なようです.
一部に自分で踏める場所があります.大きさを比べてみました.
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体育館のような建築は思わず,淡路島野島の断層記念館を思い出しますね.
肝心の露頭は園内でここが唯一のもの.巡検コースの端にひっそりと出ています.
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あとはこういった作り物が主体で,実物の展示や露頭が少なくちょっと寂しい気がします.あと昼食後,砂場で足跡を掘り出すワークショップなどを体験しました.子供連れの多いテーマパークでした.
これも園内の展示館の一つにフリント製の石器が飾られていました.私もキール郊外で転石にあったフリントのかけらを拾いましたが,チャートの一種とものの本にあります.ヨーロッパの石器時代を代表する岩石ですね.
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この日の昼食はごらんのように園内のセルフのレストランで注文した白身魚のフライとサラダ.メニューが全部ドイツ語で良く解らないので,どんなものか見せてもらって皿に入れました.ペプシとセットで6ユーロだったか?1ユーロ150円のレートではちょっと高いかも.
次のゴスラーへの移動の最中に見た,鉱山のダンプとおぼしき高まり.車中はずっと韓国の大学の偉いさん2人と隣同士で,お互いの国の地学教育を巡って,色々と話しが弾みました.

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アウトバーンを南に飛ばす,ここにも風力発電の列が.ちなみにこの日は移動に3時間以上かかり,おまけに渋滞もあって時間がかかった.
ゴスラーの保存地区内にある古いホテル.古いだけあって,床はミシミシいうし,私の部屋ではトイレとシャワーが閉鎖されていて,外の部屋まで用足しに出なければいけないので,ちょっと困りました.左上の屋根にちょこんと出窓がでているのが,私のこの日の部屋です.
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部屋の中はこんな感じで狭いのですが,何せ歴史のあるホテルですから仕方がないか.夜はみんなで夕食を囲みましたが,私は後述の南アの夫婦と隣り合い,夫人がひどい治安の状況を巻くしたてるのを聞くばかりであった.
ホテルのすぐ横には,ヨーロッパを代表する企業ジーメンスの創始者の館が.しかし最近日本企業がこの家を買い取ったとか.あたりは石畳と古い家の続く,ゴスラーの中心地です.
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夕刻,地元ガイドのおじさんの案内で風致地区を一回り.自分の孫?が16才の誕生日でビールが飲めるようになったので,6時には帰らなければいけないとかで,早口で,世界遺産の個々の建物の由緒をまくしたてていきます.
古い住宅の内部もこのように案内されましたが,小さい部屋にびっくり.ここに驚くほどの人数の家族が暮らしていたとか.さすがに中世の人々の暮らしは大変だったみたい.写真のご夫婦がこのあと学会で打ち解けることになるいずれも南アフリカの地質の専門家です.
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屋根と壁はこのあたりで多産するスレートで葺かれた家が多い.いわゆる神戸の洋館にある「うろこの家」だらけというわけです.
壁の表面の様子.泥岩が弱変成を受けて薄くはがれやすいスレートになっています.地震が少ないからこんな材料で家を葺けるわけですね.
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屋根がスレート葺き.壁はクロスラミナの目立つこのあたりに多産するトリアス紀の砂岩で葺かれています.1557年と建てた年号が木のテラスの部分にありました.ただ,建物は恐らく最近手が加わっていると思われます.
町の中心部にある教会の尖塔もここは少し趣きが異なります.
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これも雰囲気のある建物.この丸い建物はドイツ中央部から南部によくある形?
水車小屋の建物と,水車で廻していた,器械.鉱石だったか,農作物だったかを砕くのに使った?
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これは皇帝(カイザー)の館.10世紀の銀山の発見のあと,11世紀ハインリッヒ3世がここに移り住み,中世の経済の中心となったとか,歴史的な説明をしてくれましたが,ほとんど忘れてしまいました. カイザーパレスの前に現存する古い教会.この街は爆撃を受けなかったのかな?それは多分説明してくれたと思うのですが,何せ早口のドイツなまりの英語でしたから,ーー.
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ゴスラーの町の模型.6つある?教会が街の中に十字に建っています.この旧市街全体が1992年に世界遺産に指定されました.あとで調べると70%程度の家が昔からのもの.あとは最近の復元だそうです.
町の中心の広場.店は地元の観光客で一杯です.魔女の人形が土産だそうですが,店が閉まるのが早く買いそびれてしまいました.さてこの広場で今から何かイベントが起こるそうで,ーー.


面白いものが見えると強調するガイド氏(右端)がいうので,みんなカイザーハウスと書いてある,奥の建物に注目しています.ちょうど時刻は夕方の午後6時です.多くの観光客相手のレストランも椅子とテーブルを広場に並べています.(ビデオからのクリップです)
時計台で大きな鐘の音とともに,両側の窓が開き,そこからご 覧のような人形が姿を現しました.中世の鉱夫たちの様子を描いたものです.観光客も一斉に注目しています.やがて,この人形が姿を消すと,今度は現在の鉱 夫の格好をした人形も現れました.ガイド氏が6時までに広場に行く必要があるといやに急いでいたのがやっと解りました.
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