2018年KVIS写真日記その
Facebookで公開しているKVISでの写真日記を少し編集して,こちらでも公開します.その3.

琵琶湖博物館を退職されたK博士が,生物のVisitingTacherとして1ヶ月の期限で赴任してこられました.水生プランクトンの専門家 で,若い女性ばかりの生物のスタッフも初めて使うプランクトンネットに最初は右往左往していました.しかしやがて彼の指導する自然観察の重要性に魅了され ていく様子を横から目を細めて見させていただきました.私も自然観察をやはり基本におく重要性を改めて学ばせていただきました.その前に少しリゾート島へ の週末滞在からまずご紹介します.

img_9931.jpgimg_9927.jpg
金曜日の午後から,今回は南の海上にあるサメット島(Ko Samet)のリゾートに小旅行を学校からプレゼントされました.Rayongという町の港から,かなり大型の船に乗りました.2艘の船をまたいで乗り込みました.港町の船を待つ間に土産物屋をぶらぶら.土産物が安い.思わずTシャツとビーチサンダルを買いました.
img_9949.jpg
Koh Samed島です.バンコクから近いリゾート島として人気があります.陸地の方は雨季の雲に覆われていたのですが,外洋に出た途端に晴れてきました.島に同行した,ロシアからの客員の化学のKさん.大学の先生で普段はモスクワに住んでいて,海がないので楽しみだと言ってます
img_9969.jpgimg_0068.jpg
大きな船なのでビーチに直付けができず,小舟で浮き桟橋に運んでもらいます.黄緑の私の荷物はスタッフが宿まで運んでくれました.桟橋の付け根で国立公園の制服のスタッフが入場料200バーツ(約700円)を請求.これは自腹でした.これが私が泊まったビーチハウスで1戸建てです.宿泊料はかなり高いみたいですが,学校からのプレゼントでした.一人で使うにはもったいない作り.ビーチがすぐ前です
img_9980.jpgimg_9981.jpg
家族が泊まれるように,2段ベッドまであります.プライベートでもほとんど泊まったことがない,こんなぜいたくなリゾートに泊めていただけるだけでもありがたい.こちらが作り付けの造作.ドルチェのコーヒーは無料なのですが,淹れるのに結構操作が分かりにくかった.緑のスーツケースは昨年の人口湖への旅行のためにこちらで買ったもの.一応イタリア製みたい.安かった.
img_9985.jpgimg_0001.jpg
荷物を置いて,早速地質の探検です.船から見えた岬の突端の岩場までビーチサンダルで歩きました.持参した地質図には島全体がMylonic Gneissと記載されています.paragneissとothogneissの2種類の記載があるのですが,paragneiss(准片麻岩)と呼ばれる堆積岩起源のもののように見えるのですが,どうでしょうか?さきほどの場所はやや黒い(泥質岩が主体?)のですがこの岬の先端部分はやや白い岩石が優勢.砂岩起源か.
img_0020.jpgimg_0016.jpg
何か元の堆積構造のように見えるのですが,どうでしょうか?昔はプレカン(先カンブリア時代)とされていたようですが,最近ではもっと若いものだとされるようです.堆積構造なのか,片理なのか解釈が難しい.宿のサンダル(女性用)はスケールのつもり.ちなみに女性用でちょうとのサイズでした.
img_9991.jpgimg_9999.jpg
片麻岩のように見えないこともない.ところどころに石英脈も目立つ.またマイカの層もある.マイカが目立つ部分.
img_0044.jpgimg_0034.jpg
ビーチの砂がめちゃくちゃ白い.場所: 12.553737, 101.450465人間と犬の足跡.この国ではどこに行っても犬がいます.一人のときに出くわすとびくりとします.狂犬病の予防接種をしておいてよかったと思う今日この頃です.
img_0048.jpgimg_0047.jpg
夕刻近く,何か網で採っています.魚が結構取れています.岬の先端で釣りをする姿も見ました.
img_0058.jpgimg_0054.jpg
ホテルにあるレストラン.少し高いかな「.夜になると飾りが美しい.とても雰囲気のよいレストランでロシアのKさんと食事をしました.若いカップルには最高の場所なのですが.
img_0073.jpgimg_0076.jpg
ビーチハウスの前からとてもきれいな海が見える.湾の内側にある,パタヤなどのビーチに比べると,外海に面していて泥の影響がないのか,海の色がとてもきれいな場所です.ー 場所: Vongduern Villa, Samet Island何かTVCMの撮影に使えそうな場所ですね.
img_0065.jpgimg_20180902_101623.jpg
デザートにマンゴーを買いました.500gほどのものを切ってもらいました.75バーツとまあ観光地なので少し高い.しかしとても美味.奥にあるのは持参したマンゴスチン.生物の様々な生痕が見えて,こちらはまた授業に使えそう
img_20180902_101737.jpgimg_0094.jpg
波が穏やかで素晴らしいリップルマーク.ー 場所: Vongduern Villa, Samet Islandさて,とうとう迎えの船が来て,浮桟橋から手前の青い小さなはしけに乗ります.このような桟橋をPierというのだと初めて知りました.前を行くKさんと英語の勉強になるねと話しました.
img_20180902_143137.jpgimg_0140.jpg
学校への帰り道に,ドライバーに頼んで,道沿いの市場によってもらいました.フルーツを買うためです.これは買ったドリアン(比較的小さなもので130バーツ払った)を切ってもらっているところです.店のかわいい子供がお相伴にあずかっています.今日市場で買ったフルーツ.この時買ったドリアン(右のパック)は臭いを防ぐため,丁寧に包装されていて,まだ若かったので少しのあいだ冷蔵庫で熟成を待ちました.奥の棘のあるのはサクラヤシという果物.南部の方のものらしいです.とげがあるので軍手が必要.実は少しクセのある味ですがおいしい.ただマンゴスチンに比べるとやや落ちるかな.
img_0147.jpgimg_0177.jpg
男子は軍事訓練で軍装で午前の授業を受けています.火山灰を見せているところです.
さていよいよ生物のVisitingTeacher.K先生の出番です.人口湖に行く前に行った滝のある国立公園.入り口で入場料が必要ですが,外国人は200バーツととても高い.午後4時の閉園間際だったので,半額にしてくれたとか.時間がないので急ぎます.
img_0200.jpgimg_0204.jpg
ご覧のような渓流がきれいな場所で,あまり時間がなかったので滝までは行けず.渓流の石についた微生物を調査します.さすがに手際のよいK先生がサンプルの水をすくいます.この場所はガイドブックには例のリーチ(ヤマビル)が出ると書かれてあったので,かなり気にしていましたが,この日は雨が幸い降らず,大丈夫だったみたいです.
img_0224.jpgimg_0228.jpg
琵琶湖博物館でベテラン学芸員として勤めたK先生の指導で近所の人口湖でプランクトン調査です.本校の生物の先生は3人とも若い女性ですが,一度もこの場所に来たことがないと言ってました.灯台下暗しですね.さらにこのような実習も初めてだと嬉しそうでした.池のプランクトンが入っているか興味深々なところ.この資料は学校に持って帰ってすぐに分析です.
img_0257.jpg img_0254.jpg
明くる日に,昨日の水を見せてもらいました.水生プランクトンが一杯います.それをK先生が逐一説明してくれました.
こちらは数珠藻だったか.ネックレスのようなきれいな藻です.
img_0279.jpg img_0281.jpg
例によって学校の近所に唯一あるピザ屋のピザ.180バーツ.600円ほどか.あと近所の市場で買ったマンゴー.1個20バーツ.約70円は日本での値段に比べるとめちゃくちゃ安い!1/10かな? この頃の自室の冷蔵庫.マンゴとドリアンで満杯!
img_0280.jpg img_0287.jpg
自宅から送ってもらった乾麺のうどんを12分茹でてやっとうどんを食べれます.うどんがないのがとても残念.あとは焼きそばがあれば言うことないのだけど,残念ながら手に入らない. バンコクの日本食スーパーで買った米を炊いて,持参したレトルトのカレーと上記スーパーで買った福神漬けで食します.とてもおいしい.
img_0350.jpg img_0354.jpg
授業のない水曜日に以前から訪問を約束していた,バンコク市内にあるチュラロンコン大学(タイの東大と言われる,実力と伝統を兼ね備えた大学)の地質学教室のM先生を訪ねました.高校のバンで化学のアドバイザーのT先生,琵琶湖博物館のK先生も一緒でした.目的は不要な捨て石置き場から,高校で使うための標本をもらうためです.こちらの高校には学校があらかじめ用意してくれた箱の入ったおなじみの岩石標本のほかには,私が日本から送るか,持参した岩石,鉱物,さらに昨年私が地元で採集したわずかの標本しかありません. 生徒にはやはりなじみのあるタイの国内の岩石標本が欲しいと思い,筑波大の知り 合いの先生からこちらの地質の先生を紹介されました.みかん箱2個をサンプル用として持参したのですが,結局1個が火成岩その他用,1個が化石を含む石灰 岩,チャート用となって満杯で,車にのせるのに腰を壊しそうになりました.ミカン箱1個30kgは越えていたと思います.
img_0413.jpg
中央が対応してただいた地質の教授のM先生,右が古生物特にフズリナが専門のT先生,ともに筑波大で学位を取られたそうです.地質巡検の情報も色々とうかがいました.初対面なのにとても親切に対応していただきました.来年来るときには,ぜひ生徒を連れてきて,もう一度捨て石置き場での標本採集をしたいと念願しています. T先生からいただいた,放散虫の入ったチャート.北部のものだそうです.ルーペでくっきりと放散虫が見えました.
img_0419.jpg img_0431.jpg
おそらく60kgに達したと思われるチュラ大からの岩石サンプル.用途別に仕分けして廊下に置いたところ.部屋は今年から使わせてもらえることになった元生物の空き部屋.3年使っていなかったのでエアコンのガスが抜けていてとても暑い.
フズリナの見事な石灰岩もたくさんいただきました.



Copyright (C) 2017 Yoshio Okamoto, all rights reserved.